「九州大学学術研究都市構想」は、国が実現を目指す「科学技術創造立国」、福岡・佐賀両県とアジアとの連携を強く指向した「九州北部学術研究都市(アジアス九州)構想」、そして九州大学の先導的大学改革と伊都新キャンパスへの統合移転といった一連の動きを総合的・立体的にとらえ、21世紀の「知の時代」にふさわしい「知の拠点」「知的クラスター」づくりを目指すものです。
「環境・人間・アジア」をキーコンセプトに、九州・アジアの21世紀をリードする文化・学術拠点の創造を目指し、7つの拠点地域を設定。地域の特色を活かしながら大学や研究機関を核とした連携型の新しい学術研究都市の展開が進められています。
地元産学官の総意に基づき、構想の策定と推進を担う「九州大学学術研究都市推進協議会」と、学術研究都市の具体化を担う「九州大学学術研究都市推進機構」と、大学、経済界、自治体が一体となって構想の実現を目指しています。
糸島富士と称される可也山などを背景に、昔ながらの田園風景や玄界灘に沿って美しい海岸が続く糸島地域。この自然豊かな地が「九州大学学術研究都市」の舞台となります。
福岡市都心部から良好なアクセス、アジアとの近さ(ソウル/1h50'、上海/2h00'、台北/3h00')も「九大学研都市」の魅力です。
九州大学センターゾーンと大学周辺の南側地区、北側地区を一体的に整備し、学研都市の「顔」「シンボル」となるタウン・オン・キャンパスを形成します。
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機能 | 先導的インフラ | エリア |
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①九州大学による展開機能 |
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②民間企業による展開機能 |
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③公立試験研究機関、独立行政法人 研究機関等による展開機能 |
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④知の中央ステーションを支える 民間等の展開機能 |
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学研都市構想を実現するための手段・方法には、「ハード」と「ソフト」という2つの戦略があります。
快適空間の形成においては、地域の自然や歴史、産業との共生を理念として、研究・交流・居住・生活サポート等の集積ゾーン、環境・景観等の保全ゾーン、田園風景の維持・育成ゾーン、商業・業務・サービスの機能集積を図るゾーンなどの空間構成を検討し、地域の特性に応じて、保全・維持、整備・開発・誘導等の方策を掲げています。
※ほたるの配置および道路のネットワークはあくまでイメージであり、位置を定めたものではありません。
タウン・オン・キャンパスは、九州大学センターゾーンと一体的に南側(元岡)地区・北側(桑原)地区を整備し、研究・開発、居住、生活サポート機能等、学術研究都市の中心的なHSTとしての役割を果たします。
西側地区は、地形や集落環境に配慮しながら、研究開発系ほたるや研究者等を対象とした居住系ほたる等の誘導を促進します。
学園通線沿道地区では、無秩序な開発を抑制し、農業環境や集落環境の保全を図るとともに、九州大学の移転による各種機能用地の需要を見極めながら、慎重に検討を進めます。
九大学研都市駅周辺地区では、土地区画整理事業を中心に、商業・業務等の適正な機能誘導を行い、学術研究都市のメインゲートにふさわしいまちづくりを進めます。
糸島地域の豊かな自然を保存、活用して学術研究都市を形成するため、比較的小規模な開発が分散して行われるように開発を誘導します。このような環境共生型の開発を分散型地域核”ほたる”として位置づけます。
”ほたる”は、学術研究都市にふさわしい良好な研究環境・居住環境を提供する21世紀の地域整備のモデルです。九州大学を中心とした学術研究都市の1次圏内丘陵地を基本に数十haの規模で徐々に展開し、学術研究都市の熟成に併せ、2次圏にも拡大していきます。
省エネルギー・資源リサイクル研究開発施設、24時間対応型研究開発施設、九州大学等の知的資源を活かした研究施設他
田園居住型住居、節水・省エネルギー(環境共生型)施設、菜園・農園の確保他
研究開発支援・試作加工施設、省エネルギー・資源リサイクル産業施設、地場産業育成施設他
アトリエ等併用住宅、長期滞在型宿泊施設、リタイアメント住宅・別荘、研修施設、保養施設等の施設周辺環境との調和
人間・社会・地球のための「21世紀科学」の創出と展開を促す舞台として、「知の活用」による産業と地域の活性化を推進する「知の中央ステーション:HST(Human,Science and Technology Station)」を戦略拠点として構築します。
HSTとは、Human(人間)・Science(科学)・Technology(技術)の融合をコンセプトに、大学と産業、市民、行政が一体となって新しい価値や可能性、革新的な発想を生み出す「知の戦略拠点」「産学民公の協働空間」です。
HSTは、「タウン・オン・キャンパス」における大学との地理的な一体感(フェイス to フェイス)を活かした産学民公の密度の高い交流をベースとして、多様な機能の集積と新技術・新産業・人材育成などの効果的かつ機敏な展開を可能とします。
九州大学・HSTで生まれた研究プロジェクトの成果は、企業研究所、生産拠点、新ビジネスなどとして“ほたる”へ次々に展開していきます。
先行的モデルプロジェクトは、九州大学の「知」(研究力・教育力)を都市形成の基盤とする「九州大学学術研究都市」構築の「柱」となるものです。
九州大学学術研究都市では、九州大学伊都キャンパス/知の中央ステーションHSTの構築とともに多様な「ほたる」が生み出され、産学連携、地域連携の取り組みのもとに、知識と研究開発機能の集積が進み、21世紀型の「知の拠点」が構築されます。
「知の拠点」は福岡・佐賀に集積する多くの大学やアジアス九州の文化・学術拠点と相互に連携し、さらにアジア・世界に開かれた知のネットワークを展開します。
九州大学の社会連携の一翼を担う都心サテライト(西新プラザや大橋サテライト)や、福岡都心に集積する産業創出機能や多様な人材の活用による「知識集約型の都心」を構築し、九大学研都市を先導・支援する考え方です。
福岡において、九州大学、シーサイドももちソフトリサーチパークをはじめとする福岡の知的集積、産業集積を核に、新産業の創出及び人材の集積を図り、東アジアに広がる半導体産業「シリコンシーベルト」における設計開発拠点を構築するプロジェクトです。
アジアの有力大学間の連携構想実現のため2000年12月に九州大学の提唱により創設されました。大学相互の研究・教育分野での協力、情報交換、そのための拠点づくりなどが進められています。